陽水と茶

コンビニに普段はあまり用がなく行かないのですが、コロナのせいか、おかげか、コンビニに行く回数が増えました。

コンビニの本の陳列棚はただ整列されていて、時にかなり乱れ、後ろを向いてるものとか、逆さになってるものとか、そんな滅茶苦茶の中でこの表紙の迫力。
手に取るという選択しかありません。


私の母はかまととなのですが、山口百恵や中森明菜や安全地帯や井上陽水が好きで(誤解が生じる表現かもしれませんが流してください)家でも車でもよく流れていました。

車に乗る時、幼少の私と妹がリクエストしていたものは
おチビのくせにリバーサイドホテル

歌詞も覚えるほど聴き込んでいましたので、妹と大きな声で歌ってました。
物真似なんかしたりして。


飾りじゃないのよ涙は
も、盛り上がっていたかも…


私たちの生活によく流れていた陽水が、世の中がCDになったあたりで少なくなくなってきましたが、
高校生の頃、友人と中々部屋から降りてこない、違う友人の家の前の公園で眺めながら、
"いっそセレナーデ"を口ずさんだり、
待ってる間に恋愛話の又聞きをして
"恋の予感"(安全地帯だけど)を口ずさんだり。

その歌なんだっけ?

と聞かれても、

誰だっけ?陽水?安全地帯?

曲名もすぐに出てこないのに、歌詞とメロディはハッキリと覚えていました。

その時、陽水、、、すごいな…となり、
再び陽水熱が上がり、音源を集め、特に歌詞にのめり込んでいきました。


たくさんの歌に、意味のわからない言葉や表現があり、その度に想像して考えて、友人と意見交換していました。


幼少の頃、大好きだった、リバーサイドホテルの歌詞問題は長年言われていますが、大人の歌の意味がほとんど分からないあの頃、それでも大好きで大盛り上がりだったリバーサイドホテル。
音と言葉が遊んでいるというか、子供でも気持ちのいい面白いものだったのだと思います。
今聴いてもセンスがたまらない。



"傘がない"なんて高校生の頃、聴き直して、目ん玉飛び出ました。
なんか、目の前が急に開かれたくらい、興奮した事覚えています。


高校生あたりから、時折、陽水は聴いています。
聴きたくなるんです。

今でも1度聴くと1週間は陽水が続く。
どっぷり陽水。
家人に呆れられています。
これは私の悪い癖。


先日、YouTubeで陽水を流している時に、傘がない等の少し重い歌詞を、違う好きな歌い手が歌っているのを見ました。
メッセージ性の強めの歌詞でも余白が陽水の歌詞にはあるのだけども、違う人が歌うとメッセージがとても強くなる。
メッセージ性のあるものなんだから、メッセージを強く届けるというのは自然な事なのですが、歌となるとそこが強くなりすぎると、少し重たすぎると私は思ってしまいます。
音楽家ではないのでうまく言えないのですが、陽水の歌ってメッセージ性が強い歌詞でも抜けてるというか、軽やかさがあるので心地よく、陽水の絶妙な抜け感がたまらなく好きなんだと思いました。



強いもの主張するものがあるのに、喉を通ると重くならずどこか軽やかで、そんな抜け感のある…

こんな形容で茶を紹介した事があります。
きっとSobaeにきてくださっ方は聞き覚えのあるはずです。

陽水の歌みたいな茶だったんだなって、最近気付きました。



自分の好きなものの共通点を見つけれた時、

私、ブレてないな

と、安心してしまいます。
でも、この気持ちは安心していいものなのか…




さぁ今から読みましょう。

春がもう行ってしまったような日の昼前、BGMはもちろん陽水、大きめのグラスにいれたジャスミン茶を飲みながら。

Sobae

大阪と東京と葉山で 中国茶・台湾茶の教室をしています。

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